しくじり先生

私が生まれ育った環境はド貧乏だった。

中学で、進路をどうするかって時、高校なんてのは選択肢にはなかった。
担任が何度か自宅を訪れてきて、進学についてを親と話し合う。
親の困っている表情を見るのが嫌で、担任にこないでほしいと泣きながら頼んだ。

ソフトボールの腕で高校に行ける❗

意味のわからない説得も泣きながら拒んだ。


中学を卒業して就職した先で看護師になった。
当時の寄宿先の院長が言ってた。

この世界は、学歴なんて必要ない。
真面目に働いて、知識と技術さえ身につければ、いくらでも偉い人になれる。

あっという間に40年がたった。

手術室での勤務や様々な手技等は器用に身に付いたものの、頭が差ほど良くない・・・ん~、記憶力が弱い私は読書からの知識があまり身に付かなかったし、不真面目ではないにしろ、真面目でもなかったため、偉い人にはなれない40年だった。

結局、学歴が必要。
結局、高い資格が必要なんだ。
せいぜい、認められても、影の力持ち。

上司を支え、現場を任されても、所詮、高い評価をされるのは上司。

肩書きのないナンバー2

そんな中、上司の薦めで管理職に恵まれた。
一気に高給取りとなった。

何かを得たいならば何かを無くせ。

高給の代わりに無くしたものは…家族との時間。

買い物に行っても値札を見ずに買う環境が手に入った。
孫たちが欲しがるものは難なく買い与えられた。

真面目に働いた。
業績をあげ、自信過剰にもなった。

なのに、何かが違う…と、疲れていった。

止めた。
・・・病めた。
・・・・辞めた。

東証一部の会社の管理職という肩書き。
・・・・辞めた。

今は
家族との時間もたっぷりある。
金は・・・ない(笑)
これで良い。




これでほんとに良いのか ?

時々思う。

飛び立つ飛行機を見る。
もう、スーツ姿で飛び回る出張なんてのもなくなった。

あの頃は・・輝いてたように思う。

今、さみしい自分が居る。

沢山の勇気をもって捨てたはずの肩書き。

それと同時に、今の自分には不思議な・・

哀れなプライドが邪魔をしている。