別れた元夫へ
貴方は覚えているだろうか
その昔、まだ付き合い始めた頃
私が入院した時を
面会謝絶されるほどの重症だったのに
貴方は、シクラメンの鉢植えを見舞いに
に持ってきて、後に周りから笑われたよ
ね。
その昔、付き合いだした頃、
私の父が緊急で入院して、貴方が一緒に
見舞いに来てくれて
不安でうろたえていた母は
私ではなく、貴方の胸で泣き崩れた。
貴方は知っているだろうか。
その昔、結婚を悩んでいた頃
貴方と幸せになりなさいと母が背中を押
してくれたことを。
貴方は知っていただろうか
その昔、新婚の頃
盆、正月に、夫婦そろって私の実家にい
くと、
「 今年はでっかくいこう‼ 」・・・と、
母が作ってたあの料理
それまでに、私が見たことのないほどの
料理。
あれは、母が、貴方のためにだけの精一
杯の振る舞いだった。
その母が、あと数ヵ月の命しかないと聞
かされた時、私は、母の介抱すら許され
なかった。
貴方はきちんと見ていてくれたのだろうか
貴方に、ただただ、誉められたくて
私は、料理や裁縫を、育児を、本を見な
がら頑張っていたことを。
少しずつ、少しずつ、互いが見れなくなり別れてしまったけど
感謝していることがあります。
1つ
学歴もなく、容姿に自信のない私に、卑下することの方が、哀れだし、醜いことだと教えてくれたこと。
1つ
子供たちがまだ、幼い頃、
のらりくらりとやっていた自営業をたたみ、
子供たちや私のために、それまでとは全く違う職種に就き、朝早くから遅くまで働き、
なおかつ、私を働かせないで、子供たちのそばに居させてくれたこと。
1つ
子供たちがひねくれることなく、大好きなお父さんで居てくれたこと。
貴方は知っていますか?
その昔、貴方が旅行で、夜に家に居なかった時、
私は貴方の腕枕がなくて
寂しくて寂しくて、貴方の枕の匂いをかぎながら眠っていました。