エクボちゃんたちのママ

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プライド

中学を卒業後に就職した勤務先の病院で。

恐かった先輩が教えてくれた言葉。


今から、色々、教わる身の上でプライドは必要ない。叱られる事があっても、恥ずかしいことだと思ってはいけない。
そのかわり、看護婦としての資格を手にしたなら、プロとしてのプライドは持ちなさい。

そんなプロになるために、それはそれは、まあ、こっぴどく叱られたもんだ。

朝は、早くから起きて、診察室などの掃除や点滴の準備。
「ゴミが落ちてる‼」
「拭き掃除はしたの⁉」
「消毒した注射器の並べ方が違う‼」
冷めてしまった点滴を触り、
「点滴が教えた通りの温度に出来上がっていない‼」
「返事は⁉」「聞こえない‼」
「泣くより返事っ💢」



滅菌の作業や午後の手術の準備をしながら、各病室のシーツ交換。
ついつい、時間オーバーをしてしまう・・・
「この、消毒の火を消すのはいつ⁉」
「時計を見ずに答えなさい‼」
「貴方に仕事は任せられない‼」
と、肘鉄・・・。

今の時代、こんなことされたら大問題なんだろうなあ(笑)

夕方、学校から帰ると、屋上にある洗濯物を取り入れ、畳む。

臭い消毒液に浸かった汚れたガーゼを素手でゆすぎ、洗い、鍋で煮沸させ、また素手で洗い、ゆすぐ。
冬場はたまらなく寒く、手が凍る、
伏せた洗面器の裏でシワを独りで伸ばしながら広げる。
一旦、干しておき、明朝には屋上に干さなきゃ。

明日はごみの日。
まとめておこう。

早く風呂にいかなきゃ、お湯を捨てられる‼

こんな時間かあ・・・
早く寝ないと起きれない‼
宿題は⁉
もう・・・眠いよ・・・

叱られる と 雑務の毎日。

叱られ過ぎて、よく泣いた16歳     。
カーテンにくるまりながら・・よく泣いた。

カーテンに身をかくし、くるくると回ると、てっぺんの髪の毛が絡まっていく。
なぜだか、そうして泣きながら
「帰りたい、帰りたい。」
とよく泣いた・・・・。

学生である2年がたち、プロとしての道へと歩く。

暫くは、先輩のその意味すらわからず働いてきた。

が、私は彼女から教わった基本的な日常的行動や看護師としての技術、知識のお陰で、その後の仕事で周りから高い評価を得られていることに気づかされた。


その恐かった先輩と35年ぶりの再会。
そこでも、彼女は私の先輩として一緒の職場で働いた。

「立派になったね」

にっこりとしてくれた。
誉められて喜ぶ50歳。

「そりゃ、そうですよ。
 私は貴女を尊敬し、貴女のようなプロとしてのプライドをもった看護師になりたいという気持ちは忘れたことはありません。」

定年を迎える彼女に今の私を見せることが出来て・・・・嬉しかった。

あの、恐かった仕打ちに感謝している。