1月31日 (水) ☀
「 今日の調子はどうですか? 」
車イスの彼は、目を閉じたまま弱々しく応えた。
「 ・・・あんまり良くないです。 」
「 私が誰だかわかりますか? 」
「 ・・・目を閉じていてもわかりますよ。
女神さんですね。 」
97歳。
半年前に入居されてきた頃は、私と会うと、指をピンと揃えて笑顔で敬礼をしてくださっていた。
日々、私たちが、雑務に追われる中、
彼は、慣れない施設生活と
それに対する私たち職員の至らない【業務】の結果ではないか❗と、私は自分を責める。
「 今日は、少し天気が良いです。
どこか、行きたい所はありませか? 」
彼は少しだけ考えて
「 常盤公園ですね。 」
「 よし❗ 行こう❗ 」
「 ごめん‼ 人手、足りてるよね❗
○○さんと、常盤公園行ってくる❗ 」
いつも通り、身勝手な私の行動(笑)
( 〃▽〃)
リフトカーに車イスごと、乗っていただき、車で10分。
「 着きましたよ (⌒‐⌒) 」
が、車から降りて、数メートル。
まだ、駐車場の中。
彼の一言。
「 これで充分です。
帰りましょう。 」
(/ロ゜)/
「 寒いですか? 」
「 いや・・・・僕は、女神さんが職員さんから
叱られるのではないか・・・心配で・・。」
こんな風に私を気づかってくださるのに、彼がこんなに小さくなるまで私は・・・・
「 大丈夫❗ (゜∇^d)!!
これでも、私は威張ってる人なんだか
ら 」
うっすらと笑ってくれた。
公園の中の池の橋を渡り、売店で鳩と鯉の餌を買った。
あっという間に、私たちは鳩に包囲された。
彼は、うつろな表情でじっと見つめている。
ここで笑いを取れなきゃデイサービスの職員じゃないな❗
と、芸人魂が芽を出す。
「 ○○さん❗ 見て❗ 」
\(^o^)/
頭の上にまかれた鳩の餌に誘われて、私の頭には数羽の鳩。
ツンツンとつつかれて・・・・ちょいと、痛いぞ⤵
目を丸くして、驚きの○○さん (○_○)!!
ヤバイ❗
引いてる ( ; ゜Д゜)
私は、頭の上の鳩が逃げないように、ゆっくりゆっくりターンして、ジャージの裾を持ち、かわいく軽く会釈をすると、やっとニッコリしてくれた。
缶コーヒーを飲みながら沢山話を聞いた。
「 姉と来ているようで、とても幸せで
す。 」
嬉しいお言葉だが、心が痛かった。